データで考える女性医師の婚活

医師の生涯未婚率(50歳時未婚率)を見てみると、男性医師の約11%と比較して、女性医師は約36%と3人に1人以上の割合で未婚化が進んでいる事が分かります。

一方で、医師の中での女性医師数の割合は、1980年代は10%程度でしたが、現在は約20%と、ほぼ倍増しています。

女性医師の夫が男性医師の場合

一般社会での結婚は、同じ職業や社内結婚は普通に存在します。しかし、医師の配偶者が同じ医師である既婚率は、年々低下傾向にあり、2000年代に70%近かった医師同士の結婚が、現在では50%代に低下しています。今後も医師全体に占める女性医師の割合が増加していく中で、医師同士の婚姻率は低下していく傾向と見るべきでしょう。

統計的には女性医師の結婚は年々難しくなっている事が分かります。では、どのようにすれば女性医師が幸せな出会いを経験し、結婚生活を送ることができるのでしょうか ?もう少し他の要因も観察してみましょう。

なぜ、女医は結婚難なのか・・

1.過酷な研修医時代

医師免許取得後の20代は、過酷な研修医時代が始まります。この期間は、臨床に研究、医局の同期や先輩との人間関係など、あまりに忙しくほとんどの女性が婚活はできません。また出会いもありません。

2.専門医取得と重なる婚活適齢期

研修医から専門医と仕事もハードになっていきます。この時期は20代後半から30代の婚活適齢期と重なります。医師としての仕事をセーブしない限りお見合いやデートに割く時間はありません。

3.妊娠と出産

30代前半〜、子供が欲しいと焦っても、出会いはなく、多くの女性医師はこの時期に結婚相談所の門を叩きます。

4.高い収入と社会的ステータス

専門医を取得する頃には、年収は1000万を超えます。一方で同年代の男性平均年収は、400万〜500万です。このギャップは本人が意識するしないに関わらず恋愛対象から疎遠になっていきます。

5.家柄

医学部に入学する難易度は高く、入学後も多額の費用がかかります。大半の医師のご家族は、同じく医師か経営者、若しくはハイレベルなご職業の方などのご子息・ご令嬢が多く、家庭環境の違いによる大きな溝が生まれます。

結婚の条件

さて、それでは女医の考える「結婚の条件」とは ? とお聞きすると・・

「医師の職能を理解し、対等な収入、若しくは一定の社会的なステータスを維持し、育った環境や文化的な背景の近い人・・出来れば同年代の男性、若しくは男性医師・・」

結婚を難しくしている理由が幾つか推察できるコメントです。

専門医別の成婚事例

39歳 小児科医 Mさんのケース

結婚相談所に入会した当初は、同じ医師との出会いを望んでいました。数十名の男性医師に申込み、お見合いもしましたが、なかなか交際に至らず悩んでいたところ、「医療者以外の出会い」を仲人さんに勧められ、幅広く出会い・交際をしながら、今の夫、監査法人に勤める公認会計士と無事に成婚し、今は、医師の仕事は多数の職業の方に支えられている事を実感しています。

34歳 麻酔科医 Tさんのケース

麻酔科なので、比較的自分の時間を作り易かったこともあり、短期間に集中して婚活をしました。私は、お相手の条件よりも早く結婚して子供が欲しかったので、2歳年下の公務員の夫とスピード結婚でした。お相手の職業や収入、家族関係なども大切ですが、何よりお互いに支え合って生きていける・・と実感できた事が結婚を決意した理由です。

29歳 皮膚科医 Kさんのケース

父が開業医で、同じ標榜科の消化器外科に進むように言われていましたが、いろいろ挫折もあって、 父の気持ちに添えず、結婚のお相手は同じ外科系の先生と・・と思って婚活を初めたのがきっかけです。比較的いろいろな方と出会えましたが、ご縁とは不思議なもので、全く畑違いの会社経営者の二代目の彼とお見合い、そして半年間交際して無事結婚しました。彼の母方に医師が多く、比較的お話はスムーズに出来ました。

この30年で女性医師は2倍に増え、20代30代の若い女医が増えています。女性医師が本気で結婚を考えたとき、キャリアの中断や減速、多忙な生活を乗りきる覚悟と心構え、そして医師としての仕事に理解ある男性をみつけることが大切でしょう。

私たちが大切にしているのは、結果と要因を一つ一つ整理していく事から始めます。女性医師の場合、標榜科目や専門医、大学、年令、家庭環境、恋愛経験、結婚観、両親の職業・・等によって婚活のスキームは大きく変わってきます。

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